国宝「善光寺」講演に向けての政宗一成記事
「般若心経」に智慧を成就させる為の心髄が説かれている。
「無眼耳鼻身意 無色声香味触法――。」
救道者は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、これら五官、さらに第六感さえ無にし、達観してはじめて、「人間の心、身体」を完成させ得る――と。
平成なって20年、今、我々現代人は疲弊し尽くした。我らは達観したから、これら六根、「色、声、香、味、触、法」を捨てたのか―――。
否、逆である。
「技術」に溺れ、翻弄された挙句に、「六つの本能」を彼方に打棄ったのだ。「夢と、冒険と、リスク」から、「無意識界」で逃げたのだ。
人間が人間たる所以の「個性」は、六根を忘れて、標準化、平均化、統一化、機械化された。「効率」が呪縛封印したのだ。
今、「喋り言葉」がおかしい。
文化の至高は「母国語」である筈だ。殻に閉じ籠り、一方的メディア発信のみを信じ、聴く「耳」持たぬから、「言霊」の伝達が困難となったのか。「喋り言葉」の機微が失われたのか。横文字に迎合して終ったのか――。
ならば、我ら、最大の反省を込めて、血と肉と骨の「響き」を共鳴させ、「命」を呼び戻そう。
善光寺の山門に、高村光雲の3mにわたる阿吽の仁王像があった。驚き慄いた。
――「人間なぜ、人間として生きねばならぬか」
悠々と急ごう。
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